雑草、岩を割る。

west2692009-03-31

柔らかな草の根だからといって侮ることは出来ない。今日の一枚は岩から生えた草。石割れ草というらしい……。
これも現在保存修理工事中の宮光園の庭で見つけた。3月23日紹介のさざれ石のすぐ近くに転がっていた。
この石も日本庭園の庭石だから、文化財の一部なんだろう。こうやって少しずつひび割れを押し広げて行き、最後は2つにパカッと割る訳だ。文化財なんだからこのままじゃ不味いんじゃないのかな。しかし、草が石を割る、その瞬間も見てみたい気がする。

下の写真は宮光園の主屋の2階。

解体の前には、こうやって修理前の記録をとっておく。ご覧のように、部屋の中央に大黒柱が1本あるきりで、中はガランドウだ。しかも天井がめちゃくちゃ高い。トップヘビイな上に窓ばっかりで壁もない。つまり耐震要素がほとんど無い。今の感覚で普通に考えると「地震に強い家」とはいえない。
こういう建物に必要なのは技術でも理屈でも無く、実現したいという思いと気迫だと思う。このめちゃくちゃなことを実行した人はきっと魅力的な人だったんだろう。
巷には「失敗しないための家造り」みたいな本がたくさんある。優等生のノウハウが満載だ。片っ端から実践すれば、無難な建てものなら実現可能かもしれない。しかし、それだけでは未来に残る建築は生まれない。